法律学講座2021年度
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法律学講座2021年度「コーポレートガバナンスの新潮流」
企業経営の透明性を確保し、株主・従業員・取引先といったステークホルダーの利益を守るための仕組みであるコーポレートガバナンスは、内外からの変革を求める力によって刻々と変化してきました。近年ではESG経営やSDGsが強調され、2019年の会社法改正があり、2021年6月にはコーポレートガバナンス・コードも改訂されました。そして現在、コロナ禍による産業インフラのデジタルシフトが最優先課題のひとつとなっています。そうした最新の潮流を踏まえ、コーポレートガバナンスの課題と展望を検討します。
開催時間 |
14:00~16:00(13:00よりZoomに入室可能) |
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開催方法 |
オンライン開催(Zoomウェビナーによるライブ配信) |
受講料 |
各回1,500円(税込み) *1つのお申込みにつき、1デバイスでの接続をお願いします。 |
受講申込み |
お申込みはこちら *要事前申込み* |
申込み締切 |
各回開催日直前の火曜日まで |
講座開催日程
日時 |
講師 |
内容 |
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2022年 |
惠木 大輔 慶應義塾大学大学院法務研究科教授 |
「コーポレートガバナンスに関する近時の主な取り組みと商事裁判例」 コーポレートガバナンスの具体的な内容および必要性について、歴史的な流れとともに解説する。また、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードの内容およびこれに関する近時の実務での主な取り組み(取締役会による実効的な監督、取締役会が備えるべきスキル、最高経営責任者等の後継計画、役員報酬、社内の多様性の確保、投資家との建設的な対話、バーチャル株主総会など)並びにコーポレートガバナンスに関する近時の商事判例について解説する。 |
2022年 |
久保田 安彦 慶應義塾大学大学院法務研究科教授 |
「コーポレートガバナンスとサステナビリティ」 いまサステナビリティが盛んに強調されている。最近のコーポレートガバナンス・コードの改訂も、重要なポイントの一つは、サステナビリティ(同コードの定義によれば「ESG要素を含む中長期的な持続可能性」)をめぐる課題への対応を一層強く求めることにあった。それでは、なぜいまサステナビリティが強調されるのであろうか。本講演では、その背景にある議論を紹介するとともに、そうした議論がコーポレートガバナンス論の中でどのように位置付けられるのかを検討することにしたい。 |
2022年 |
高田 晴仁 慶應義塾大学大学院法務研究科教授 |
「日本型コーポレートガバナンスの歴史と現在」 「ガラパゴス」と揶揄されることもある日本の監査役制度であるが、もちろん日本古来の制度などではない。実は明治時代のお雇い外国人が、当時の欧米の制度の粋を集め、考えに考え抜いた制度であった。その原点を振り返り、これからの日本のコーポレートガバナンスのあり方を展望する。 |
2022年 |
菅原 貴与志 慶應義塾大学大学院法務研究科教授 |
「社外取締役の最新潮流と日本型ガバナンスへの示唆」 2019年(令和元)年の会社法改正や2021年6月改訂のコーポレートガバナンス・コードにおいても、社外取締役がひとつの重要項目となっている。そこで、昨今の社外取締役をめぐる実務状況を踏まえ、米国を中心に比較法的な考察にも触れつつ、令和元年改正項目である社外取締役を置くことの義務付け、および、業務執行の社外取締役への委託について、理論と実務の両面から各々解説する。また、これらの検討を踏まえて、日本型ガバナンスにおける社外取締役の在り方に関し、私見に基づく整理と検討を試みることにしたい。 |