福澤研究センター講座2025
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福澤研究センター講座2025年度「近代日本における智の展開」
幕末から明治にかけて、日本人の智はどのように変化し展開したのでしょうか?
刊行から150年を迎えた『文明論之概略』の中で、福澤諭吉は「智徳」について論じています。彼が近代日本形成に大きな影響を与えた思想家であることは、万人が認めるところでしょう。しかし彼の傍らでその活動を支え続けた小幡篤次郎は、同時代人の評によれば、福澤に勝るとも劣らない学識の持ち主であったにも拘わらず、今や知る人の少ない存在になっています。彼らが追い求めた智に、その相違はあったのでしょうか。今回の講座では、福澤諭吉と小幡篤次郎という2人の人物を通して、近代日本における智の行方を考えます。
開催時間 |
14:00~16:00(13:30開場) |
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開催方法 |
オンライン(Zoomウェビナー)および慶應大阪シティキャンパス会場(会場定員50名程度)
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受講料 |
1講演 各1,500円(税込み、見逃し配信動画視聴料を含む) |
申込み方法 |
Web申込 |
申込み締切 |
各回開催日直前の火曜日まで |
申し込み要領
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申し込み登録は受講料の納入をもって確定となります。
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講演前日の正午までに「講演資料等のご案内」メールが届かない場合は、KOCC事務局へお問合せください(E-mail:keiokorc@info.keio.ac.jp または tel:06-6359-5547 受付時間:原則平日12:00~17:00)。なお、メールによるお問合せにはお時間を頂戴しますことを予めご了承ください。
- 当日、講座を受講
オンライン・会場ともに13:30開場です。
オンライン受講
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※講演毎にZoomウェビナーの事前登録が必要です。会場受講(慶應大阪シティキャンパス)
会場参加者は一般的な感染対策にご協力ください。
状況によってはオンライン開催のみに変更する場合があります。
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各講演毎に、記録動画をアーカイブ配信いたします(講演翌週に配信予定)。開催日当日の生配信時に正常に視聴できなかった方、見逃した方は、アーカイブ配信をご覧ください。
なお、アーカイブ配信動画の配信は2週間程度を予定しています。配信終了期限まで何度でも視聴できます。
【注意事項】
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- 配信期間外はご視聴いただけません。予めご了承ください。
- 見逃し配信講演視聴のために、新たにアプリケーションをインストールする必要はありません。
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- 「見逃し配信」動画URLを第三者に共有・公開することを固く禁じます。
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講座開催日程
日時 |
講師 |
内容 |
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2025年 |
松岡 李奈 慶應義塾福澤研究センター助教 |
第1回『福澤諭吉と小幡篤次郎の源流―中津藩士と学問の系譜』 福澤諭吉が青年期まで過ごした中津藩は、「門閥制度は親の敵」と表現したように、克服すべき旧弊である一方で、福澤の学問的下地を形成した場所です。福澤を支えた小幡篤次郎も、藩校や私塾で学び、士族社会の中で理不尽な経験もしながら成長しました。彼らが中津藩で得た高い漢学の見識や経験は、その後の思想形成に影響を与えたと考えられます。本講演では学術や士族社会、思想を中心に中津藩での経験が彼らに与えた影響について考察します。 |
2025年 |
山尾 忠弘 大阪経済大学経済学部准教授、慶應義塾福澤研究センター客員所員 |
第2回『小幡篤次郎における西洋社会思想 ―道徳・政治・経済』 小幡篤次郎は福澤諭吉とともに慶應義塾草創期を支え、西洋社会思想を日本に伝えるうえで欠かせない役割を果たした人物です。本講座では、福澤が思想を日本の現実に即して翻案したのに対し、小幡が翻訳を通じて原典の思考を導入した点に注目します。『宗教三論』や経済学書などの翻訳を取り上げつつ、道徳・政治・経済をめぐる小幡の議論の展開をたどりながら、近代日本における思想史研究の基盤を形成するのに小幡がどのように寄与したのかを考えます。 |
2026年 |
柳 愛林 九州大学法学研究院政治学部門准教授 |
第3回『小幡篤次郎が読んだ『アメリカのデモクラシー』―小幡篤次郎とトクヴィル、そして福澤諭吉―』 明治8年6月の『民間雑誌』第11編には、小幡篤次郎の論説「嫡子に限り家督相続を為すの弊を論ず」が掲載されています。長子相続を批判する中で小幡は、トクヴィル『アメリカのデモクラシー』を引用し、独自の議論に援用しています。そこで言及される「平均を求るの卑屈心」(depraved taste for equality)は、福澤諭吉の「怨望」論とも響き合います。小幡によるトクヴィルの受容と福澤への接続を考察することで、明治初期の知的展開の一端を示したいです。 |
2026年 |
安西 敏三 甲南大学名誉教授 西澤 直子 慶應義塾福澤研究センター教授 ※<前半>安西氏による50分程度の講演、休憩を挟み、<後半>安西氏と西澤氏の対談形式を予定しています。 |
第4回『福澤諭吉の思想的源泉』 福澤は『文明論之概略』において、古今の論説を通じて、現状を把握し、道理を見極め、最高善を追求し、後世の社会の見通しを示す、と宣言しています。中でもミルの論説は、バックルやギゾーのそれと共に、その最大の思想的源泉の一つです。福澤の両眼主義、あるいは智徳論や習慣論を取り上げ、福澤の儒学も踏まえてのミルとの対話を主として、拙著『福澤諭吉の思想的源泉』に触れつつ、その補訂も兼ねて問題に接近し、討論の一つの糧としたいと思います。 |